これだけの体験をしている自分は特別な存在…「マウント欲求」を満たすことがサービスやブランドを永続させる鍵といえるワケ

これだけの体験をしている自分は特別な存在…「マウント欲求」を満たすことがサービスやブランドを永続させる鍵といえるワケ
(※画像はイメージです/PIXTA)

個人消費の活性化は日本経済の成長を実現する上で欠かせませんが、高齢化・少子化などによって極めて苦しい状況にあるのが現実です。そこでカギとなるのが「マウント消費」という新消費行動。サービスやブランドが長く愛されるため、現代の消費者にアピールするためにも、「マウント」という概念が重要になります。本記事では、勝木健太氏の著書『「マウント消費」の経済学』(小学館)より一部を抜粋・再編集して、その理由をご紹介します。

行き詰まる日本経済を打破する新消費行動「マウント消費」

2023年におけるGDPの約55%を占める個人消費は、日本経済の屋台骨そのものである。その行動が冷え込めば、企業の売上や雇用に深刻な影響を及ぼし、結果として経済全体が停滞することは避けられない。それゆえ、個人消費の活性化は日本経済の持続的な成長を実現する上で必要不可欠な要素の一つと考えられる。 

 

しかし、少子高齢化とそれに伴う人口減少が進行する中で、かつてない困難に直面している。政府や日銀は量的緩和や財政出動といった景気刺激策を講じてきたものの、目覚ましい成果を上げるには至っていない。低金利政策や補助金の支給も、その効果は一時的なものであり、根本的な課題を解決するには至っていないのが実情だ。

 

こうした状況を踏まえると、従来型の小手先の対策では日本経済を立て直すことは難しく、多くの人がその現実をまざまざと痛感しているのではないだろうか。 

 

では、こうした行き詰まりを打破し、個人消費をその先のステージへと引き上げるためにはどうすればよいのだろうか。その答えとして注目すべきなのが「マウント消費」である。 

 

改めて「マウント消費」とは、単にモノやサービスを購入する行為にとどまらず、それを通じて「他者よりも優れている」と感じられる優越感を手に入れるための消費行動のことを指す。この新たな消費スタイルは、従来の消費行動を超越した、個人の自己表現や他者との差別化を促す滞在能力を持っている。

 

特にSNSが日常生活に深く浸透している現代社会においては、消費は物質的な満足を得ることよりも「自己表現のための手段」としての役割を担うようになってきている。

 

高級レストランでのディナー、有名ブランドの時計、個性的な趣味やライフスタイル──これらの消費行動を通じて人々は自分と他者との差異を際立たせ、「これが私の価値だ」と盛んにアピールしようとする。その背後には「他者よりも優れた自分を演出したい」という深層心理的な欲求が潜んでいる。これこそが現代における消費行動を駆り立てる隠れた原動力となっている。 

 

この「マウント消費」を効果的に活用することができれば、日本経済にこれまでにない活力を吹き込む起爆剤にもなり得るだろう。現代の消費者が真に求めているのは、純粋な商品の所有ではなく「自分は特別な存在だ」と実感できる体験である。その体験が自己表現の一部として意味を持ち、他者との差異を際立たせる要素を備えることで、「マウント消費」はより本質的な価値を帯びるのだ。

 

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※本連載は勝木健太氏の著書『「マウント消費」の経済学』(小学館)より一部を抜粋・再編集したものです。

「マウント消費」の経済学

「マウント消費」の経済学

勝木 健太

小学館

消費トレンドはモノ・コトからマウントへ 「こんな素敵な場所に旅行してきました」 「こんな美味しい料理を楽しみました」 「こんな特別な人と過ごしています」 SNSで頻繁に目にするこうした投稿。その背後には、多く…

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