診療報酬における算定の基本構造
在宅医療における診療報酬を算定する際、診察した患者さんが「個人宅在住者」なのか「施設入居者」なのかによって、その算定方法は大きく異なります。個別に詳しく解説する前に、診療報酬の基本的な枠組みについて確認しましょう。
まず、在宅医療関連の診療報酬は「基本の報酬」とその他に分けることができます。その他とは、各患者さんの状態に応じた報酬や連携対応等にかかる報酬を指します。
「基本の報酬」は、いわゆる診療料と月間の管理料に分けることができます。
診療料には往診料と在宅患者訪問診療料があります。診療料の他に1ヵ月間の管理料として、在宅時医学総合管理料(在総管)、もしくは施設入居時等医学総合管理料(施設総管)が支払われます。
自宅で療養している患者さんは前者の在宅時医学総合管理料を、施設(有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅等)で療養している患者さんは、後者の施設入居時等医学総合管理料を算定します。
これらの管理料は、私たちから患者さんに向けて「(当月内に)何かあったら対応しますよ。それと同時に、この1ヵ月間は、少しでもいい療養生活を送っていただくための注意事項をお伝えしますので、それに留意して生活してくださいね」という意味合いの料金です。
そのため「通院が困難な方に対して計画的な医学管理に即して、定期的に訪問診療(定期訪問)を行うこと」が算定の条件となっています。また、これらの管理料はそのクリニックが在宅医療にどのくらい専門的にかかわっているか、あるいは医師が何人いるか、などによって金額が異なってきます。
定期訪問と往診の違い
次に、定期訪問と往診の違いについて確認しましょう。予め計画を立てて定期的に行う訪問診療は定期訪問と呼ばれています。定期訪問は一般的に、月2回行われます。訪問した回数に応じて前述の診療料の1つである、在宅患者訪問診療料がかかります。
定期訪問以外のときに「体の調子が悪いので、臨時で診に来てほしいです」と患者さんから申し出があった際に、出向いて行う診療については往診と呼ばれています。その際は、往診した回数に応じて前述の診療料の1つである往診料がかかります。
このように、管理料を基本として、その上に定期訪問と往診における診察料が加算されるのが、診療報酬における算定の基本構造です。下記の図表は、在宅医療における診療報酬の構造イメージです。

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