子どもの予備校費用や学費がかさみ、母への仕送りが困難に
母への仕送り額が倍になり、家計への負担は大きく増した上に、思わぬ事態が重なります。息子が大学受験に失敗し、予備校に通うことになってしまったのです。翌年には晴れて大学合格を果たしたものの、地元の大学ではなく自宅外通学となったため、息子への仕送りが必要になりました。
さらに、現在在学中の娘が大学院への進学を希望してきたことも追い打ちをかけることに。本来なら4年で卒業するため、あと1年で1人分(娘)の学費負担がなくなると考えていた一樹さんには想定外の出来事でした。
息子・娘への仕送りや大学院進学の費用を考えると、さすがに母への仕送りが難しくなると考えた一樹さんは、今の施設に入居を続けることは難しいと考えました。このままだと、自分の老後資金の準備すらできなくなってしまうと考えたからです。
一樹さんは改めて公的な介護施設を探し、母は民間の介護施設に入居した3年後に自分の年金額で入れる住居型の公的ケアハウスに転居することになりました。
ケアハウスへの転居後、母の様子に変化が
転居したケアハウスは年金の範囲でまかなえる費用であることもあり、一樹さんの仕送りは不要に。しかし、安心したのもつかの間、またもや問題が発生しました。
ケアハウスへ転居してすぐに、母が家に帰りたいと言いだしたのです。約3年間過ごした民間の介護施設とサービスの質が異なることや、施設の人になじめないことが原因でした。
確かに、ケアハウスに移ったあとの母はいつも1人で過ごす時間が長く、笑顔も少なくなっていました。このままでは認知症を発症するのではないかと、一樹さんも不安に感じていたのです。
それでも、体の不自由な母を一人暮らしにすることもできません。毎日が楽しくないという母に、本当にこれでよかったのかと頭を悩ませずにはいられませんでした。
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