日々の食卓に欠かせない「米」の価格が2倍に跳ね上がり、2025年5月の物価上昇率は3.5%と高止まりが続いています。とくに食料品の値上がりが家計を直撃し、実感としての負担感が強まる中、今後の生活設計や消費行動にも大きな影響が及びそうです。
毎日食べる「米の価格」約2倍の衝撃!5月物価上昇3.5%「食料インフレ」が家計を襲う (※写真はイメージです/PIXTA)

上昇続く物価、実質負担の実感強まる

2025年5月の全国消費者物価指数(CPI、2020年基準)は総合で111.8となり、前年同月比で3.5%上昇しました。上昇率は4月の3.6%からわずかに縮小したものの、高水準が続いています。物価の基調を示す「生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)」も前年同月比3.7%の上昇と、前月の3.5%から加速しました。さらにエネルギー価格の変動を除いた「コアコアCPI」も3.3%上昇し、底堅いインフレ圧力が広範囲に及んでいることが明らかになりました。

 

項目別に見ますと、依然として「食料」分野の価格上昇が際立っています。生鮮食品を除いた食料の上昇率は7.7%と、4月の7.0%を上回りました。特に穀類(28.7%上昇)、菓子類(7.4%上昇)、肉類(6.2%上昇)など、日常的な消費に直結する品目の値上がりが顕著です。なかでも、うるち米(コシヒカリ除く)が前年同月比で101.0%の上昇となっており、寄与度も0.38と大きく、菓子類ではチョコレート(27.1%上昇)が突出。嗜好品の価格動向も無視できなくなっています。

 

電気代やガス代などのエネルギー関連の価格上昇は一時に比べて鈍化しており、電気代の前年同月比は11.3%と依然高いものの、前月の13.5%からは減速しています。ガソリン価格も4.8%上昇と高水準ですが、4月(6.6%)からはやや落ち着きました。このため、エネルギー分野のCPIへの寄与度は0.63と、前月から0.08ポイント縮小。政府の電気・ガス価格抑制策や、原油価格の安定が影響しているとみられます。

 

一方で、下落項目もいくつか見られます。生鮮野菜は4.7%の下落、特にキャベツが39.2%安と大幅に値を下げました。また、高等学校授業料(公立)は前年同月比で94.1%のマイナスとなり、教育分野の物価がCPIを押し下げる要因となっています。これは制度変更や支援措置の影響によるもので、実質的な教育無償化が反映されたと考えられます。

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